前回に引き続き、所有権移転外ファイナンス・リース取引の税務処理に関する内容を質疑応答形式でまとめています。
質問:
同一の事業者で、複数の所有権移転外ファイナンス・リース取引契約がある場合、税額控除において一括控除と分割控除を併用することは可能ですか?
回答:
可能です。
例えば、高額な精密機械Aと、少額の機器Bを同時に所有権移転外ファイナンス・リース取引し、Aについては売買処理として、消費税の仕入税額控除は一括控除とし、Bについては賃貸借処理とし分割控除とする、ということは可能です。
質問:
リース期間中に、仕入税額控除の時期を変更してもかまいませんか?
回答:
認められません。
初年度に分割控除を行い、次年度に残額を一括控除とする、というような税務処理は認められません。
質問:
はじめに消費税を分割控除で申告しましたが、後日一括控除に変更したいと思いました。認められますか?
回答:
認められません。
申告後の仕入税額控除の時期は、法律に従い変更できません。
質問:
リース期間中に簡易課税制度から原則課税制度に移行した場合、分割控除はできますか?
回答:
できます。
例えば、リース期間の初年度は簡易課税、2年目以降に原則課税となった場合や、初年度に免税事業者だったけれど、2年目以降に課税事業者となった場合などのように移行した場合でも、賃貸借処理している所有権移転外ファイナンス・リース取引は分割控除を認めているので、仕入税額控除を行うことができます。
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